【参考インタビュー】
※1「正義は勝つ」作劇の注意点 漫画のバトルは過程が大事 勝手に化けたキャラはハドラー2023-05-20 (ORICON NEWS)
『獣電戦隊キョウリュウジャー』など特撮の脚本を担当しておりますが、『ダイの大冒険』も含めて「正義は勝つ」という王道の結末が決まっています。その結末に向かって、主人公の困難や敵を魅力的に表現していくかと思いますが、物語を作るにあたって大切にしていること、決めている制作の過程、苦労している点があれば教えてください。
※3 オトナファミ2013年1月号 作家たちが振り返るドラゴンクエスト漫画メモリアルより
先生のキャラ作りのセオリーは?
僕自身はキャラクターが物語を作ると思っています。だからキャラを考えるときには一緒にゴール地点も決めたい。そのオチを絶対に変えないと決めて進めば、途中で物語が延びたり寄り道してもブレないでちゃんと着地できる。その作業をすべてのキャラでしっかりやることでストーリー全体が引き締まると思います。
最後に、今、もし続編を書くとしたら?
当時、読者からも編集部からももっと続けてほしいという意見はありました。僕も念のためヴェルザーのいる冥界のような世界の存在を伏線として用意して、構想だけは練っておきました。ただ連載後半の頃は稲田さんの体力も限界で、僕もバーン編で終わらせることが物語として最良だと思っていた。だからその事情と心情を編集長の鳥嶋さんに伝えたら、納得いくペースで締めていいよって言ってくれて、最後は綺麗に余裕を持って書かせてもらえました。今後もし続編を書くとしても、今の世相に合わせて当時の物語構想を変えるということだけはしないでしょうね。クラシックが再び奏でられることがあったとしても、永遠にクラシックとして紡がれていくべきだと思いますから。
※4パーフェクトブック P68 堀井お話はどこまで考える?
一つのシリーズで10話20話っていう量のシリーズ構成表を作って稲田先生や担当と打ち合わせして書いていきます。結構ラストまでカチッと考えるタイプなんですよ。
ぼくはキャラ考えるとまず漠然とそいつの生きざま浮かんじゃうんですよこうしてこうやって死ぬんだろうな。、とか。こう死ぬんだからここでこう言わせておこうって感じでどんどんネタをもっていけるようになるんです。
※6
──稲田先生を投影して書かれたということですか? それとも、稲田先生がダイに入り込んでいると感じたのでしょうか。
両方ですね。『ダイ』だけじゃなくて『ビィト』もだけど、稲田先生はやっぱり主人公とヒロインに強く感情移入してるんですよね。だから僕がダイを書いてるときには、ダイは稲田先生、自分はポップだと思うとやりやすかったですね。実際、稲田先生と打ち合わせしていると、このキャラはこういう言い方しないんじゃないかな、って指摘は、ダイやビィトについてが圧倒的に多いんですよ。僕よりも稲田先生の方が一番主人公をわかっている(笑)ので、主人公とヒロインに関しては、稲田先生がコーディネートしやすいよう作って、自分の好みは2人目の方で出しています(笑)。