第7話「マァムの想い」
脚本:千葉克彦 演出:角銅博之
総作画監督:宮本絵美子、眞部周一郎
作画監督:村上直紀 美術:藤井綾香
演出助手:矢野岳 製作進行:久家七海
【あらすじ】※公式案内引用
マァムが突然ダイを攻撃したことに驚くポップ。だがじつは、彼女が放った魔弾銃の弾丸にはまひを治す呪文「キアリク」がつまっていた。それによってダイのまひは回復。さらにマァムの攻撃でクロコダインが一瞬ひるんだ隙を突いて、ダイはクロコダインの左目に一撃を食らわせる。負傷したクロコダインはその場から撤退していった。 ピンチを脱し、ネイルの村へとやって来たダイとポップは、マァムとアバンの間につながりを知る。なんと、マァムの両親はかつてアバンと共に戦った仲間であり、魔弾銃はマァムがアバンの修業を受けた際、卒業の日に彼からもらったものだったのだ。「正義なき力が無力であるのと同時に、力なき正義もまた無力」。そんなアバンの教えを守って村を支えてきたマァムに、ダイとポップはアバンの死を伝えられない。しかし、マァムは偶然そのことを知ってしまう。 村の長老から魔法の修業を受けて成長を感じたダイは、翌朝、ポップと共に村を発つことにする。そしてマァムも、彼らと共にアバンの遺志を継いで戦うことを決心する。ダイとポップは、彼女を新たな仲間として温かく迎えるのだった。三人のアバンの使徒は、ロモス城を目指す――。 そのころ、クロコダインのもとに、妖魔士団の軍団長・妖魔司教ザボエラが助力を名乗り出ていた……
演出の角銅さんは91年のアニメでも演出を担当されています。
第11話「うなる真空の斧!むかえ撃てアバン流刀殺法」の回。旧アニメ12話次の回が
マァムの想い該当回になるので30年越しに続きを演出したという事になるのかな?
前回の内容を知る人が新たに演出した話は一体どうだったのでしょうか。
演出助手は矢野さん、この方は7話が初登場ですが
この後のご自身の演出回マァムの内面について凄くフォローしてくれているんですよ。
なのでこのマァムの内面根源に最初にかかわっていることが非常に大きいのではと個人的には思っています、聞いてみたいですけどね。
・3人でクロコダインを撃退
クロコダインの誇りを傷つけたという、彼の誇りとは、力を背景にしたもの
3人がかりとはいえ、1人1人が弱い人間に傷をつけられるなどっということなのか。
「やっぱり逃げたのね」という言葉で、逃げてないという
言葉をきいてたんだなという事がわかりますね。
・マァムの回復魔法
じいちゃんの回復呪文よりよっぽどいい、使い手によって感じ方が違うんだね。ポップ君には薬草でした、この場面はほかでもみるね…
村の子供に、モンスターのように強いって言われても、言われっぱなしにはしないので、良しとはしてないことがわかる。
・ダイ君の嘘
レイラにアバン様はと聞かれ、亡くなったことをいえなかった、家族とか仲間に告げられないという心がある。この後にたったひとりのじいちゃんを安全のためデルムリン島に置いていった彼なので。言い出せなくなったなんだね、正直よりも嘘を優先したところに、気持ちを感じるね。
・マァムの特性
攻撃呪文ができなかったのに村を守るために格闘技と、魔弾銃を使うことに。その時の卒業の想いでを語るところで、こんなこわいものいらない、守りたいだけという、戦うには優しすぎる心があることが明示される。要は使い方、あなたが使う限り大丈夫、と信じてもらう、ことで彼女は力を取った。信じてもらう事の力を知る人でもあるということ。
自分がそうだったからこそ自分もそのように信じて動くところがあるのかな。
アバン先生を思い出し涙を見せる流れで、先生を尊敬し慕うからこそ頑張れてるという面も感じさせてくれた。前回と今回の冒頭の冷静な判断力、実行力とのギャップをより感じることになる。
・守りたいというやさしさと責任感が作った戦う姿勢
君が中心なんだねとダイが言った、マァムが中心になって村を守っているからこその態度が最初の姿だったわけで、元の中身はここで話した思い出の中にいる彼女なんだなと。そう思うと心の鎧がとれて、判断を迷ったり甘さが見える後半の彼女は、本来のマァムなんじゃないかな?一人で頑張らなくてよくなった彼女が仲間とともにいるからこその姿なんじゃないか
最初から彼女は変わってなどいないのだ、ただ一生けんめいに目の前のいきるものを大事にしているだけなんじゃないかな。人に限らず。
そのように思う、だから慈愛の使徒として建てるのだろうと思う。勇敢な彼女を本来としてしまってはその裏にある戦う動機を無視してしまうことになりかねないのではないかなどと思う次第です。
・ポップの台詞
ここで意識することになる部分ですが、女の子っぽいところがあるんだなというセリフを変えて「けっこう・・」と変えてきた。
性別で女の子だから優しい、みたいにとらえられたり
女らしいから惹かれたというのは時代的にそぐわないところがありますので、修正された感じでしょうか。
・ポップはマァムのなにに惹かれたの?
ここでどのようなところに惹かれたのか、強い心はみんなを守りたいの根源の優しさだけでなく、先生への思慕の表情をみてなんだろうなと。自分には向けられない表情に惹かれた、ここが始まり(無意識だけど)
この部分の表情を描かなかった。これはこの後もたびたび続いてゆく描写なのですが、見せないことで、ここでとか絵でハッキリわからないようにしているなと。彼の恋ごごろのいつハッキリだすか。
それはここではないということ、全話おわったからこその調整だと思う。自分にむけて欲しいという部分でかれはここから頑張るのだよね。
手始めではないけれど、魔弾銃の魔法を入れておいてやるよと申し出。出来るところを見せるとかじゃなくて、誰かのためのちょっとした手助け。これは彼本来の人の好さもあるんだけど。ダイからしたら珍しかったということは、ちょっと違う動機、向けて欲しい顔があったからなんだろうな。と
とはいえ、恋愛ばかりでないところもある、先生はすごいな、その先生がいない。
いろいろいれといてやるか、のところが恋愛以外のところの人の好さだったり気が利くところだよね。
・ダイの決意
マァムの話を聞いてダイは特にモノローグはなかったが、言葉にして出てきた。先生はすごい、いろんな人に慕われて。 自分を守るために亡くなった先生の偉大さ、そこに意気消沈するんではなく。
苦手な魔法をなんとかしようという気持ちになった。これは愛のため(レオナのため)ではない
師への想いを継ぐ部分、本気になった部分。
苦手を克服する、それはダイもポップも同じだったのかな、マァムとの出会いは勇者としての旅が本当のものになるようなそんな出会いだったのかもしれません。
・クロコダイン
ここで負ければ地位を失うぞというささやき、ちからこそすべてだからこそ抗えないのだよね
子どもは力がよわいという外面をしかみないという。
・真実を知る
ダイの修行を垣間見る、ことで真実をしる
先生は死んだんです。この部分 3者ともに表情をみせない絵で描くことは簡単だけど、そうしない
決意のところだけは長老の顔で。彼が引き受けるを受諾するを表すでも遠目です
これはベテラン演出家さんだからこその部分な気がしています(後にでる若手のその辺の手法がない人とは違いがあると思う)ここでは悲しみをメインにみせるところではなく、ダイの決意とマァム真実をしるという部分にフォーカスする必要がある、ここにある共通の悲しみは見せないでもいいそうすると伝えたい情報、主題が受け取れなくなるので。
原作ではここで呆然とするマァムが描かれますがあえてなく、次の場面、家に帰って部屋に閉じこもっているという描写から、もらった宝箱を抱え涙が宝箱にかかる様子で悲しみを表現する。
誰にも言ってはいけない。だから、悟られないようにと部屋に入るまで泣かなかったんだと
そういうことがわかる。すごく自分を律しているというか村の守り手でそのようにふるまってきてたんあだなと、外では見せないようにしているんだなって
・仲間になってほしいポップ
本当のことをかれは隠したくない、言いたいという気持ち、共有したら仲間になってくれるかも
彼には、役割がない。みんなを守りたいという彼女の立場が、先生の死は凌駕するのではないかと考えている(それは一面では真実である)
役割は村においてきたからここを考慮しない、役目ではなく彼は気持ちだけでうごいている段階だという事がわかる(恋心もあるけどね)あくまで私的な動機
ダイはみんなを守りたいという動機について重視しているという違いがある。それを押してまでは悪いと
きっとダイ君はレオナの姫としての役割や、本人の想いも無視しないんだろうな。自分の気持ちは押し付けないんだろうな、なんていう想像ができる感じ。
・旅立ちできた理由
本当はついていきたい、理由は「先生の仇を打ちたい」
魔王軍を倒すとかその前にこれが来た。
愛の深い子だからなんだろうね、これは実はこの先に出てくる
一番弟子も仇を打つ動機が同じなんだよね。
レイラは仇のことを知らない、だから手助けしたいのでしょうと
自身の理由から伝えている。
マァムはここでもためらう
何故出発できないのか、守るという役割があるからだ
でも村はみんなで守るからという言葉で後押しされて動くことができた。
自分のすべきことをほっておいて私心で行動することができないのがこの時点でわかる、これは有事故そうなのだろうけど。
誰かが請け負う任せることができて動けるような形だ。
旅立ち同行の動機(アニオリ)
私も行くわのあとに
アニメオリジナルの台詞が追加されています
「ダイ、ポップ、あなたたちがアバンの使徒というのなら私はその先輩でしょう?だから私も先生の遺志を継いで戦うわ」
「詳しい話は道々聞かせて」
動機として「先生の仇を討ちたい」「それを手伝いたい」
という従来のほかに
「先輩である自分も遺志を継ぐ」という言葉、が姉弟子として参加し手伝うというニュアンスが明示。「力がある人が助けるべきこと」「みてられないから助けたい」ロカに対する感情があったレイラとは根本が異なることを、わざわざ入れてきたのだ。
仲間になった後の理由は明示されていなかった。
わざわざいれなくてもいいはずのこの理由を入れたんです。彼女の立ち位置をわかりやすくしたんだなと。弟弟子を先導する。戦いを手伝う役割 目的は仇をうつ
クロコダイン編はこの後の展開でそれが明確に見える
・マァムはツンデレなのか
だからほんとは素直に言えない言葉を隠して
殴ったりでごまかしていってるのではないかという意見は
前々からファンの間であったように思う
ただ、全編見ていると
彼女は自分の心に嘘をついた言葉を言わない、言えない。
(僧侶の娘だからかなすごく正直)
だから言ってはいけないとき、言えないときは、黙るしかない。
その場を離れる、逃げ出す等する。本心を隠して行動するときは、そうすべき目的があるときのみ、自分を誤魔化すためにはその行動は行わない
言葉にしている時にはそこに裏はない、正直な気持ちしかいわないのだ。
そう思うとけっこう物語がクリアになってくると思う。
タイトル通り マァムの想い
彼女がどんな人で、どんな思いで旅立ったかがメインの回でした