第12話「ふたりのライデイン」
脚本:隅沢克之
演出:上田芳裕 演出助手:桐山貴央
総作画監督:小松こずえ
アクション作画監督:眞部周一郎
作画監督:藤田正幸、柄谷綾子、花輪美幸、沼田広、笠野充志、森前和也
美術:藤井綾香 製作進行:鈴木裕之
美術進行:澤田真央起 仕上進行:井戸博善
CG進行:上野翔
このタイトルですが、ダイとポップのライデインのことですけど
ヒュンケルとマァムにはしったなにかも含まれているような気がするのでした。
・地底魔城に連れていかれるマァム
前話での無事でいるといいんだがへのアンサー、地底魔城へ連行中
・カットされた台詞について
ヒュンケル様はやさしい方だという、モルグさんの事前情報はカットされました。
ここについて思うのですが、今回のアニメ化に際して監督とプロデューサーさんが語っていた事、原作でキャラクターが何を思っているのかを表現することをかなり気を付けたとのことでした。何を思っているかのときに、誤解を与えかねない部分については、変えたりカットしたりしているような気がします。
「優しい」ってむずかしいですよね、言葉だけだと弱いみたいにも伝わることがある、だからその単語を出さないで表現していくのかななどとおもいました。※単純に尺がなかった説もありますけどね。
マァムを牢にいれた旨報告しねぎらうヒュンケルに来訪者、ハドラー
ここで画面が切り替わりダイ達へ、レオナはダイ君を信じて戦っていたことをバダックさんから聞くことになったダイだった。
・ダイとポップの戦う動機
ヒュンケルと同じ境遇なダイ、ヒュンケルは自分だったかもしれない。自分も人間を憎むかもしれない、そんな迷いを見せる。
この時ポップは、戦わないと、マァムも姫様も助けられないことを伝える。
2人もヒュンケルを倒す事を最終目標にはしていないなくて、マァムとレオナを助けたいから戦う。みんな憎しみではなくて
何かを守りたくて戦っている、ヒュンケル編がこうわくわくするとか、ハラハラするとかではなく、なにか心がぎゅっとなるのは、誰も私利私欲で戦ってなく誰かのための戦いだからなのかもしれない。だからか、ダイも己の意識がなくならないと、全力を心理的にだせない状況になっていたように思う。
・ハドラー来訪
対峙するヒュンケルの声が、挑発的な声音、魔王軍ではこんな口調で相対していたんだろうか、
力だけが正義のこの地で。負けた男への見下し。すべてを憎んだのは、
この価値観でなければ勝てないと思っていたのだろうか、そう思おうとして、
本来の彼は違うもの、そのギャップが、そんな世の中すべて憎んだのかなあ。
・ふたりでライデイン
勝つために、力を得なければならない、だから2人でと。マァムを救うために。
ポップは限界に挑む。
・地下の牢獄での2人の出会い
ここで出会うのは、魔剣戦士ではなく、1人の人間としてのヒュンケルにマァムは出会う。そしてヒュンケルも戦士ではなく一人の人間としてのマァムと出会う、その電撃をここで見る。
ダイを殺そうとしている、ヒュンケルだけど自分は殺さないという、
その時のマァムの表情は映さず声だけで、「えっ」(敵なのに)を表現していた。
父について語るヒュンケルを見る姿で初めて表情がわかる、父を尊敬するのはきっとマァムのそうなんだよね。
同じだ(そして、彼もむやみに手をかけない騎士道を持つ人なんだという事も知る)
だからこそ、そこにあるのは、底には憎しみじゃなく悲しみだってわかったんだなあと。
・マァムの涙
敵になっている人だけど、その人の心を想った涙が落ちた。そして消えずに水がたまる
この涙がヒュンケルの心に入ったんだな。
今までの涙ははじけて消えた…
今までのものと何がちがったのだろう、寄り添った心はどれもそうだったろうに。
まだあってから1日ほどしかたっていない、でもヒュンケルの心を信じて訴えかける目があった。
そのうえで言うそんな弱虫じゃないんだという訴えに。
「違う!」でもなく「うるさい」「黙れ」と思わず手がでてしまった。
要するに現状の心に目をそらした弱さを指摘されたけど、否定できなかったんだね…。正直な人
・手を挙げた描写について、
部屋の外から音だけが聞こえる描写に変更されてたたいた絵は見せなかった。
91年アニメではたたかずに壁を壊した表現にして、大人な感じが強かったですが。2020年は青年らしさがより出ますね。
まさかあのヒュンケル様がと警備の兵たちが動揺するしぐさが、今までにない行動だという事も伝わりいい演出だったのかなと。
ヒュンケルが部屋を去り、撃たれて横たわるマァムの目が、悲しい。きっとこの地下牢で、そばにいてあげたい。と思ったからこそ
この表情がでたのかな。
・挟まれるライデイン
だんだん当たるようになってきています。
そうしてまた地底魔城に
・ザボエラの提案
「えらくあの娘が気になっているようじゃが?」ザボエラは心の揺れをつくのがうまい
そして外さないヤツでもあり、やっぱりこう意識してしまってるということか。
でもここからの展開で逆鱗「わしの呪文で惚れられるようにしてやろうか」
ザボにはそうみえるんだね、かれは女心がわからんひとだねえ
で色恋には…と最後まで言わせず壁にたたきつける。奥手な団長は激高したのであった・・・
ハドラーに対したときのように対応しないんだね。もう誰の声も聞くものかとなって、余裕がないですねなどと思うのでした。
この後、またダイ達の場面に戻るのだけど、お互い行ったり来たりしながら展開するので、同時刻に起きているということが
わかる「一方そのころ」
・そしてライデイン完成し地底魔城へ
ここで、ポップのヒュンケルに関する見解です、動機が同情するものであっても、それでパプニカ王国を滅ぼしていい理由にはならない。という見解。彼は親を喪ったわけではない、だから想像はできないからそこに迷いはない。倫理というもので判断できる
自分は弱いけど、マァムとダイのために戦うというところに成長が見える。
ダイやマァムのように
敵であっても、同じじゃないかというところに彼が行きつくのはもう少し先のことです。
同じ場所で戦い始めたばかりだから
・ゴメちゃんと脱出
ダイとポップの潜入を知り、ただ待つだけでないのがマァムたるゆえん。ここでゴメちゃんが出てくる、ヒュンケルの時は出てこなかったあたり、いろいろみてるんだね。。
服から出てくるアングルに配慮が見えよかったです
脱出するマァムから切り替わり逃げるダイとポップ、は闘技場にそしてヒュンケルと対決する。
不死騎団長の声は、こうマァムに対応していた時の声とは全く違うね
鎧をまとっているんだね彼も。などと思う。
ライデインを食らわせて次週に続く
※余談※
演出の力量を感じる時、各話担当だけど、他の回とのバランスを考えてはなしを作っているベテラン演出の方の仕事。そんな回は味わい深いです。爪痕のこすとかでなくて、皆で作り上げるってことを念頭においた仕事ぶり
どんなキャラクターが今どんな状況にあるのかがわかるのは全話通してをみてるからなんだろうと、作品知ってるしってないにかくぁらず。